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教員応援セミナー1月 音をたてて崩れ始めた「普通信仰」~「普通」に価値がなくなり始めた理由~
教員応援セミナー1月
音をたてて崩れ始めた「普通」への信仰
~「普通」に価値がなくなりつつある理由~
思えば1980年代の「一億総中流」という概念が、普通信仰の始まりだったのではないでしょうか?
人々の生活の向上は「普通に高校に進学する」ことを経済的にも容易くさせました。そして社会が複雑かつ高度に発展してくると高卒では就くことが困難な業種が増えてきました。その結果、もはや高卒で就職することは「普通」ではなくなり、18才人口の半数近くが大学へと進学することが「普通」であるという時代がやってきたのです。
つまり「普通に勉強して」「普通に大学進学して」「普通に企業に就職する」ということが、私たちの生活(人生)のスタンダードになっていったのです。そしてこのスタンダードの先には「より豊かで安定した人生」が保障されていました。そう…、30年前までは…、です。
しかし、よくよく考えてみればおかしなことですよね。
18才人口の半分近くが、大学に行くことに血眼になっていた…。その結果、受験産業は空前の繁栄となり、その流れの中で、私たちは子どもたちを「偏差値」という単一の尺度で測ることに何の躊躇もせず、そういった進路指導にこそ価値があると言わんばかりの傲慢さで受験競争を後押ししてきたのです。
つまり全国の高校の8割近くが「普通課程」となり、「工業科・商業科・農業科」といった「専門課程」を看板とした高校が軒並みその存在感を失っていきました。「高校普通課程」の全盛です。
でも、現場の教員はとっくに気がついています。
すべての大学進学者が「本当は勉強なんかしたいワケじゃない!」ってことを…。大学進学こそが条件のいい就職先に繋がる「パスポート」にしかなり得ていないといった現状を…。
そして国は、どう考えてもおかしな教育行政を未だに続けています。
少子化がますます進行していく中での「新設大学設置への後押し」です。その結果、大学入学者定員はなんと18才人口の8割にも迫ってきています。
んっ? 確か大学進学希望者は多く見積もっても約50%です。つまり大学全入状態をとっくに通り越して半分近くの大学が定員割れを起こしているといったヘンな状態になっているのです。
なぜ、そこまでして国は大学に進学させたいのでしょうか? きっと何だかの事情があります。
そして、そんな大人の事情(偽善かも?)を今の子どもたちは見抜いてしまっているみたいです。
つまり「普通に大学行って就職する」といったスタンダードが、終わりを告げ始めてきたのです。
<内容>
・「普通」から「フツー」への変化
・高校普通課程の全盛と限界
・この国のしくみの中から大学進学率を考える
・職人大国「ドイツ」の矜持
・「フツー」に「普通じゃない人生」を歩み出す若者たち
<日時>:1月28日(土)20:00~22:00
<形式>:オンライン(Zoom)
<講師>:井上びん(教育の未来プロジェクト) <参加費>:1000円
- 参加費
- 1000円(チケット制)
- 対象者
- 教員、または教育に興味のある方ならどなたでも
- セミナー形式
- オンライン(Zoom)
- 講師
- 井上びん(教育の未来プロジェクト)
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