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教育・子育て応援セミナー12月
教育・子育て応援セミナー 12月
学校の「国語教育」に関する重大な事実を発見した!
~迷走し続ける「国語教育」の現状~
まずは、以下の文章を読んでみていただきたい。
この文章は、埼玉県の県立高校「入試要項」の冒頭部分である。高校受験を考える家庭(県民)に向けて公開されている「高校入試に関する基本中の基本」が書かれている。
「公立高等学校に入学を志願することのできる者は、次の(1)から(3)までのいずれかの条件を満た
し、かつ(4)に該当する者でなければならない。ただし、高等学校又は特別支援学校高等部、若しく
は中等教育学校の後期課程に在学している者は出願できない。また、併設型中高一貫教育を実施す
る中学校から併設型中高一貫教育を実施する高等学校への令和6年度入学予定者及び中等教育学校
の前期課程から後期課程への令和6年度進級予定者は出願できない。」
ある「情報」を文章によって提示する場合、その文章は、その情報を欲する皆が正しく理解することができることを前提にして発信されなければならない。
しかし上記文章は、それを皆が理解するには「かなり困難ではないか?」とする仮説が成立する。ちなみにこの文章は、実際の「入試要項」の5分に1程度の長さであり、実際にはこのような「固い」「難しい」表現を伴った文章が、その後に5倍以上も続く。
まず気になるのが、「・・・次の(1)から(3)までのいずれかの条件を満たし、かつ(4)に該当する者でなければならない。・・・」の部分だ。
「〇〇いずれかの条件を満たし、かつ〇〇に該当する者~」とする表現には、まず条件を提示し、その条件に自身が当てはまっているか否かといった「絞り込み」をしなければならず、同時にその「絞り込み」から最終的に自身が「その者」に該当するか否かの判定が必要となる。それが「かつ〇〇に該当する~」の部分である。
その他、入試要項に散見される「特別支援学校高等部」や「中等教育学校」「併設型中高一貫教育」などの専門的熟語をも、その概念を理解していなければ、この「入試要項」は読めないのである。
「リーダビリティー・スコアー」というのがある。
これは、ある文章群のそれぞれを、その「語彙数」や「難易度」、文章の「堅さ」や「長さ」などから「文章自体の読みやすさ」を判定し、「ほぼ7段階」に数値化したものである。英検や漢検と同じで、数値が小さくなる(0に近づく)に従って「難しい文章」であると判定されるワケだ。
前出の「入試要項」のリーダビリティー・スコアーであるが、これがなんと「0.69」である。
例えば中学生が使用する教科書やプリントの類いでは、そのスコアーは、ほぼ「4~3」のランクであると考えられる。これは中学生の読解力リテラシーが、未だ「その程度」(4~3程度)であることを考えれば当然のことであり、教科書会社も、当然にそのことを意識しているのであろう。
が、しかし高校入試問題はどうだろう? そして大学入試問題はどうだろう?
実際に複数の「国語」入試問題を調べてみると高校入試・大学入試の別に関係なく、スコアーが「3~1」をはじき出した。
これらの事実から、私たちは子どもたちの「読解力」が、ホントは「入試問題文章」のレベルに追いついていない・・・、つまり正しく読解できない状態で、ただ与えられた文章を「棒読み」しているだけの状態なのではないか? とする仮説を得ることができた。
それでも入試問題で得点を重ねなければならない。だからホントは文章が正しく読めていないことを知りつつ、学校も塾も「得点できる」ためのノウハウを長年にわたって伝授してきたんじゃないかと私たちは訝っているワケだ。
漢字練習に四字熟語の暗記・・・、そういった「得点できる」(=成果が可視化できる)反復問題をたくさんやらせて、読解力不足そのものを鍛えようとはしない現行の「国語教育」が、ますます「国語嫌い」を輩出し、遂には、先に示した「高校入試要項」を「ほぼ理解することができない」人々を世の中に大量に送り出しているのではないか・・・、そんな私たちの思いを、今回のセミナーで共有していただきたく開催する次第である。
日時:12月23日(土)20:00~22:00
講師:中村浩司(教育の未来プロジェクト)
形式:オンライン(Zoom)
費用:1000円
主催者
一般社団法人教育の未来プロジェクト
フォロワー数: 202
- 参加費
- 1000円
- 形式
- オンライン(Zoom)
- 対象者
- 社会人・保護者・学生など教育に興味のある方ならどなたでも
- 講師
- 中村浩司(教育の未来プロジェクト)
- 申込
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