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思春期の子どもって…。



意外なことであると思われるかもしれませんが、子どもはその思春期を通じて「大人の振る舞い」を観察しています。さらにいろいろな手段で「大人を試す」ことが日常になっています。

これは「大人への興味」「社会への興味」が思春期に増大してくるからです。そしてその新たな興味の対象に注がれる猛烈な好奇心こそが「学びの第2ステージ」をもたらします。様々な知識や計算能力を「覚える」「競い合う」学びから、それを土台にしながらも「思考する学び」への飛躍が思春期によってもたらされると考えればいいでしょう。

実は、この「学びの第2ステージ」への速やかな移行を正しく行わせることこそが「思春期」における親や近くに控える大人の最大の役割なのですが、その「見立て」をするには「専門的な知見」だけでなく、親の「鋭い感度」と「見立てる勇気」が不可欠となります。しかもそれは「とても難しいミッション」となるはずです。意図的に「子どもとの向き合い方を修正する」のですから、間違いなく一時的に親子関係はギクシャクするでしょう。それでもそのような親の確信的取り組みは、それまで見せたことがない「意外性を伴った変化」を子どもが見せ始めるきっかけともなります。

その結果、親の日常は、子どもの「意外な一面」を発見し続ける日々へと変わっていきます。その醍醐味をたくさんの保護者の方々に味わっていただきたい…。その領域に導くためのお手伝いを私たちはするだけです。

例えば、思春期を正しく過ごしていれば、子どもは「ホントの学び」を獲得するためには絶対に必要となる「思考力」が身につきます。「思考する」ことで「わかった!」が導き出せるのであり、そこに喜びの感情が発生するのです。この「学びのサイクル」を知っている子どもは…、だから最強です。

けれども思春期における「学びの第2ステージ」は、しばらくは周囲の大人が演出してあげなければなりません。「キョリを縮める大人」の出番ですね。そしてこの時期に子どもの心に芽生えた「おもしろい!」が、その後のすべての学びの原動力となります。

逆に「つまらない」と感じ続けながらの学びは、その後の子どもに「学びは苦役」といった誤ったメッセージを擦り込んでしまうことになるのです。

だから思春期にある子どもとの接し方は片手間ではいけません。子どもは大人の「片手間」を簡単に見抜きます。この時期に、例えば父親は全身から汗が噴き出る覚悟で子どもと接して(遊ぶ=教える)みましょう。報酬は「計り知れないほどの充足感」です。

お母さん(親)はそうやって大人と接し始めた子どものすべてを観察してください。興奮と共にみるみる変わっていく子どもの表情を脳裏に焼き付けておいてください。それが子どものエネルギーの源泉です。決して今までの子育てでは見ることができなかった景色がそこにはあるはずです。

改めて「子どもの思春期と正しく向き合おう!」と決心したあなたは、きっとその醍醐味がやみつきになります。「思春期大好物!」…、そんな親になっているのです。
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