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セミナー業界、負のイメージ。



2年ほど前に、私が「教育の未来プロジェクト」という社団法人を設立しようと思ったきっかけは、第1に「正しい学校情報・教育情報を働く教員や保護者に発信する」こと、第2に「学校現場で働く人々に多かったメンタル不調者を改善に導くこと」…、この2点でした。

現在では、それらの情報発信やメンタル不調者の改善策は、教育現場だけではなく、広く一般企業で働く方々にも有効であろうかと考え、その裾野を広げています。

それまで勤務していた職場(学校)という狭い範囲での情報発信ではなく、広く世間にそれを広めようと思った時、ふっと頭をよぎったのが「セミナー」という手法でした。世に「〇〇セミナー」などという不思議な媒体が氾濫している実態は知っていましたが、それまでの私にはそういったものに参加する理由もなく、どちらかといえばそのような世間の流れからは距離を置いた生活をしていました。よって私には何ら知識もなく、逆を言えばセミナーに対する何の先入観もなかったのです。

「セミナーってさ…、なんか怪しくねぇ?」という声を聞くこともありましたが、なにしろ先入観がないのですから、私の社団法人づくりは、「まずはセミナーを知る」ことから始めました。



それからの1年間は、ネットで調べた「〇〇セミナー」にとにかく申し込みをし参加してみました。たぶん50種類以上のセミナーに参加したんじゃないか…と思いますが、未だ運転資金がゼロですから、すべて無料セミナーへの参加となりました。時間としては1つのセミナーに最低でも90分、長いときには3時間くらいかけて参加したこともあります。で…、やっと気づいたんです。

無料の「〇〇セミナー」と銘打って参加者を募る…、その大半(7割以上)は、その企業の高額商品か(商品が存在しない場合は)有料セミナーへの勧誘へと繋げるための呼び水として「無料セミナー」が仕掛けられているのです。そのほとんどが第1部として無料セミナー(60分くらいか?)を実施して、散々と参加者の心理を煽っておいて「今なら…、この重要なコンテンツを通常価格の半額でお求めになることができます…」なんてフレーズで第2部へと参加者を導いていくんですね。

私の場合、そもそも手持ちの資金がゼロだし、「セミナーとはなんぞや?」を知る…、という目的だけで参加しているのですから、そのような呼び水(撒き餌)に反応したことはありません。セミナーの雰囲気が「お金」に変わってきた…、その潮時を合図に退席することを早い段階で心得ていた私の様な存在(つまりある種の野次馬)は、だからそういったセミナー業界の人々にとっては面倒くさい存在ではあったのです。

でも、これら「怪しいセミナー」を受講し続けているうちに、段々と目が肥えてきました。「怪しい」という先入観さえ払ってしまえば、主にセミナーの前半部分(無料部分)には、マーケティングや集客方法、消費者心理に関するかなり重要な情報が詰め込まれています。そういった情報をおそらくは短期間の研修で叩き込まれた若手の社員が、これまた十分に仕込まれた感満載のトークで参加者と対峙するんです。



長年教員をしている私には、セミナーの主催者側の心理はもとより「受講者心理」が分かっちゃいますから、この手の若者の発するいわゆる「儲け話」からは胡散臭さがプンプン匂ってきちゃいます。いくらでも「突っ込み」を入れてやることくらいはできちゃうのですが、それよりも彼らが(本当に理解していようがいまいが…)仕込まれてきたところの「先端情報」を聞きたくて、そういった安っぽいパフォーマンスにも付き合ってあげちゃいます。

よって、私にとっての「〇〇セミナー」参加型の武者修行は、実はそれなりの情報収集の機会にはなっていて、その時に仕入れた情報は今でも結構役に立っているのです。

それにしてもよく通いました。すべてが東京都内でのセミナーでしたが、銀座、飯田橋、神田、新宿、渋谷…、このあたりにセミナー文化は根付いています。が、敢えて言えば、セミナーそのものをコンテンツとして発信している…、つまりその後の高額商品への誘導が紐付けられていない…、つまり「セミナーがまるごと商品」となっているところのセミナー(これを純粋セミナーと私は呼びます)と、セミナーを呼び水(撒き餌)にして高額商品へと誘導するセミナー(これを撒き餌型セミナーと私は呼びます)とでは、同じ呼び方=「セミナー」でも、その存在理由がまるで違うんです。

世間に広まっているセミナーに対する負の(悪い)イメージは、後者「撒き餌型セミナ-」の氾濫によるものであると考えます。セミナーから客を囲い、ちょっとその気にさせて、場合によってはかなり洗脳して…、高額商品(セミナー)へと誘導する…、そうやって業績を上げている業界が「セミナー業界」であると理解してもいいでしょう。

しかし、この「セミナーの玉石混淆状態をどのように整理するか問題」を解決しなければ、例えば私が設立した法人が主催するセミナーだって「怪しいセミナー」と疑われてもしかたがありません。そこで私は、セミナーを渡り歩いた1年間の経験をもって「セミナー荒し」とでも何とでも言っていただいていいのですが、世に存在する3割程度の「純粋セミナー」を保護する必要から、「撒き餌型セミナー」が頻繁に開催されている場所を「なんとなく」公表しちゃいます。

知る人ぞ知る…、小滝橋通り~青梅街道に至る半径500メートル圏内…、ここがセミナー業界の巣窟です。彼らセミナー講師(自称)は、日々、参加者に呼びかけています。「今からでもお金持ちになりませんか…」「私も海外に資産を形成すことがででました…」「あの有名な〇〇さんも私の知り合いです」「もう汗水垂らして働く時代ではありませんよ…」なんてね。

でもね、そんな彼らの裏舞台は「キビシッ~」ものなのです。試しに彼らと知り合ったら、そのビジュアルをよ~く見てあげてください。~億、~千万…、そんな話が口からポンポン出てくる、そんな彼らの履いている靴…、もうこれは誤魔化せませんね…、量販店に売ってそうな代物ですよ。しかも踵がすり減っている…。まったく残念なことです。



セミナー界のイメージを高めるために…、私も微力ながら頑張っていきます。で、それでも胡散臭さが拭えないのなら…、いっそ名称を変更します。例えば、セミナーから「ゼミナール」へ。セミナーから「講座」へ…。

6月から「教員応援セミナー」、もとい…、「教員応援ゼミナール」?は再開する見込みです。

乞うご期待を。
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