教員応援セミナー2月の実施報告

 2月22日、「教員応援セミナー」が実施されました。「楽しい授業のつくり方~表現者としての教師」というテーマで、現役の教師でもある中山淳一様を講師にお迎えし、13人の受講生がセミナーに参加してくれました。

 「~表現者としての教師」というやや抽象的なテーマから、私たちは何を学び、思考すればいいのか…、初めのうちはとまどいもありましたが、中山講師の絶妙な運びにより、中盤を迎えるまでには今次のセミナーの重要な「肝」が見え始め、気がつけば私たちは「表現者としての教師」を己のこととして捉え、深く思考し悩み始めたのです。そしていつしか「表現者」と「教師」がしっかりと結びつき、セミナーの趣旨に合点するに至りました。

 中山講師がこの難題と出会い格闘してきた経緯と、それを今、私たちに伝えよう、考えさせようとしたことの理由(想い)が、中山講師の綴った貴重な文章の中に詰まっています。以下にその文章の一部を紹介します。

「表現について思うこと」 中山淳一

 …さて、私には最近特に大切にしていることがあります。それはキーワードにすれば「表現」ということです。それを大切にすることで、最近少しはいい仕事ができるようになったと感じることがあります。そこで、ここでは「表現」について、私の思っていることをまとめたいと思います。

 私は学生時代、音楽大学で「トランペット」を専攻していました。練習すれば上達するということを信じ、4年間のほとんどをトランペットの練習に費やしました。音楽大学という環境にあっては、練習量こそが学生の本分だったのです。しかし今考えて見ると、当時それだけ練習していたにも関わらず、それに比例して上達したとは言い難いように思います。それは何故なのか、いろいろ考えて結論を得ました。つまり、当時の私には、「表現の欲求」が不足していたのです。

 練習の目的は上達することです。上達の目的は表現を高めることです。表現を高める目的は、自分自身の表現の欲求を満たすためです。即ち表現の欲求こそが音楽に根源的に求められる資質だと言えるでしょう。加えて、表現すべき内面を持っていなくては欲求も生まれません。その点で、当時の私には資質が不足していたと思うのです。私は技術の習得には熱心でしたが、その技術をつかって表現すべき内面や意欲が不十分だったと、年月を経た今になって感じています。

 さて、表現は音楽だけのものではありません。美術、文学など様々な表現があります。もっと広く捉えれば、すべてのコミュニケーションが表現だと言えるでしょう。このことから私は、教育活動も一つの表現活動だと考えるように至りました。つまり、教師は表現者の立場に立ちます。

 表現するときに問題になるのは、表現者が、受け手に伝えたいものは何か、ということでしょう。音楽の場合、一定の法則に則った音の繋がりを再現することを通して、演奏者が感じる内面を表現するものです。美術では具体的な制作物が出現しますが、表現されるのは制作者の内面でしょう。さてそれでは、教師は何を伝えるのでしょうか。

 私は、教師が表現すべきは「生き方」だと思います。ですからまずは、自信を持って範に示せるような生き方をしていたいと思います。私が、いろいろなことに興味を持ってそれに取り組み、喜び、怒り、哀しみ、楽しんでいる姿を表現してこそ、それに共感してくれる生徒がいてくれるのだと思います。そしてまた、彼らから返される表現を受け止め、さらにいい生き方をしていきたいものです。(引用終わり)

<受講者アンケートより>

 非常に素晴らしいお話であったと思います。私自身の未だに迷いのある指導のやり方はまちがっていなかったのだと勇気づけられた思いでした。

 学校で働く先生が自分の表現したいことを伝える機会は、学歴重視社会が進んで行くにしたがってなくなった気がします。結果、ホームルームが連絡伝達の場になり、表現とは無縁の世界になったのではないかと。教師が表現者になれば、相手である子どもは変わります。そのためにどうすれば良いか、中山先生は手法はない、とおっしゃっていましたが、今回のセミナーには、その手法、答えがありました。

 共感することが多く、日頃の考えを言語化していただけたなぁと感じました。とても面白かったです。ありがとうございました。

 表現は、自分も生徒もいきいきとできるようになることが大切であることを改めて学びました。授業でいい表現ができるようこれからも努力していきます。熱い講義をありかとうございました。

<お詫び> 主催者自身があまりにもセミナーに入り込んでしまったため、セミナーの貴重な瞬間を写真に撮影することをすっかり忘れてしまいました。したがって当日の画像がありません。申し訳ありません。

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