「発達障害」をガッチリ学びました。

 11月30日の教員応援セミナーは、臨床心理士のキム先生を講師に招いて「発達障害」について深く掘り下げた学習会となりました。教員たるもの、一度は職場内の研修等で「発達障害」を学んだことはあるのでしょうが、最新の情報となると実に心許なく、自身の知識に不安がよぎります。

 案の定、私が仕入れていた「発達障害」に関する情報は、すでに10年以上も前のもので、現在のそれとはだいぶ認識がズレていました。それにこの10年で、何が一番大きく変化したのかと言えば、「発達障害」という一見ネガティブな印象を与える現象について、当事者(子どもたち)はもとより、その保護者の受け止め方が以前に比べても「前向き」に大きく変化していることだと思われます。もちろん地域差はあるのでしょうが、少なくとも首都圏内においては、特に小中学校の体制は「発達障害」を真正面から捉え、そこにできうる限りの支援を注ぐことに関しては、決して後ろ向きではない…、ということが確認できました。

 発達障害には、巷で知られているだけでも「自閉スペクトラム症」、「注意欠如・多動症」(ADHD)、「限局性学習症」(LD)といわれるものがありますが、現在ではかつて広汎に使われていた、いわゆる「自閉症」や「アスペルガー」といった概念は存在せず、それらは上記「自閉スペクトラム症」に内包されています。

 診断についても保護者の意識がだいぶ追いついてきたこともあり、就学時健診や学齢期の途中において学校や専門機関からの勧めによって早期に「検査」⇒「診断」という流れができつつあります。早期診断の特定によって発達障害に苦しむ、または学校生活に何らかの違和感を感じていながら生活をしている子どもたちを、様々な角度から支援する(行政支援)体制に乗せることが可能となるのです。反面、地域の偏見や因習から、保護者自身が我が子の状態を発達障害と認めたがらない…、そんな風潮も確かに残り続けています。そしてそのことが発達障害に悩む子どもたちに二次障害(うつ病、摂食障害、いじめ、引きこもり)を引き起こさせ、そんな彼らを世間が差別するという負の連鎖を生じさせているのです。

 コミュニケーションが上手にとれない…、文章がうまく読めない…、計算が著しく遅い…、文字を正確に書くことができない…、そういったハンデを抱えながら、それでも「みんなと同じ生活・学習」をしなければならないと自身や我が子を追いつめてきた「学校神話」は、いい加減に見直されなければなりません。そういった「学校神話」(学校に行くのが当たり前、勉強するのが当たり前、みんなと仲良くするのが当たり前…)という信仰にも近い精神構造を地域やそこに住む子どもたちに強制してきた私たち教員の責任も重大です。学校関係者はそのことを大いに反省するべきでしょう。

 発達障害の子どもたちを考えることは、例えば不登校の子どもたちを考えることにも通底します。どちらの側(子どもたち)にも、教員や親を初めとする大人たちの認識不足や誤解により、子どもたちにとって、本来楽しいはずの「学びの場」が、不当に蹂躙されていたとする歴史をもちます。いや、発達障害や不登校への偏見は、実は未だ根強く残り、21世紀の今日でもそういった偏見に苦しめられている子どもたちは後を絶ちません。

 私たちは、せめて教員であるところの私たちは、発達障害や不登校を正しく学び、自身が有する誤解や偏見を正しく訂正しなければなりません。認識の誤りを素直に認め、正しく訂正するにはそれなりの「覚悟」と「勇気」が必要です。私たちには、常にそのような「覚悟」と「勇気」を持ち続ける…、そんな真摯な姿勢が欠かせないのです。

 発達障害をもつ子どもたちとの「関わり方」についても、確かに学びました。しかしこればかりは頭で「学ぶ」だけでは不足です。ものごとの本質を「知った」ならば、今度はそれを「実践する」ことが重要です。明日から…、そう、すぐにでも私たちの周囲にいる(学級内に1人~2人は存在します)はずの彼らに正しいアプローチをするべきです。そして私たちの経験値を高めるべきなんですね。

 発達障害という「弱者」の存在を知っていながら、またはそれを密かに察知していながら、彼らへの間違った関わり方を続けていた場合、それは言い方を変えれば「暴力」とも捉えられかねません。

 社会はより複雑なものとなり、人間関係はより混沌とし続けます。なのに学校教育だけが「画一」のままでいいわけがありません。学校は、そしてそこに勤める教員は、教育という名の個別指導体制を取らねばならない…、そんな時代となりました。子どもたちの個々の個性に合わせた教育を用意し提供する…、それを子どもたちや家庭がそれぞれにカスタマイズしていく…、それがこれからの学校教育に課せらてくる使命なのです。そんなことに気づかされた1日でした。

キム・ヌルプルンソル先生
グループワーク(会話が止まらない)

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