教員の時短術(4)

 教員の時短術の最終回です。様々な「時短術」が存在するのでしょうが、私のブログでは、「考え方を変えるだけですぐに始められる時短術」を紹介していますので、これ、明日からでもさっそく試していただけるものであると自負しております。

 今回は、教員の業務の中でも中核を担っている「授業準備」「教材研究」における時短術を大胆にも披露しちゃおうと思います。「授業準備」や「教材研究」に時短(=手を抜く)なんていうのはもってもほかだ…とお叱りを受けるのかもしれませんが、その内容がしっかりしたものであるならば構うことはありません。大いに「時短」しちゃいましょう。

 「授業準備」や「教材研究」における時短は…、ズバリ、机に向かうことなくそれらを自分のものにすればいいわけです。机に向かわないのですから、例えば通勤中の頭の中、就寝前の頭の中、はたまたスタバでカフェラテをすすりながらでもそれらを完遂することは可能です。要は「妄想」…、この言葉がいかにも精神医学用語っぽいニュアンスを醸し出すのであれば、それを「想像」「推考」「推察」に置き換えても問題はありません。つまりは日常のスキマ時間を常に「授業準備」と「教材研究」のモードにしておけば、それらに費やす具体的な時間は大幅に削減されます。

 「授業準備」や「教材研究」をお勉強だと考えるから、真面目な御仁はそれらを机の上で取り組まねば気が済まないのであって、単に教員が教員であるためのルーティンであると割り切ってしまえば、案外、頭の中では、板書のデザインから教える順番までを思い描くことができるものです。例えば頭の中にパワーポイントで授業をプレゼンするイメージを持ってみてください。パワポの画面の一枚一枚が板書です。その板書に沿って解説をしたり、時には解説を止めてグループワークなんかをさせる、そんなイメージです。

 必要十分な板書を丁寧に書き上げる(そして写させる)ことが「よき授業」の典型であるかのような風潮はありますが、パワポを(頭の中で)有効に使った場合の文字数は案外と少ないものであることに気づくはずです。そしてこれはビジネスの世界でも常識ですが、あまり文字を多用したプレゼンは評判がよくないんですね。よってパワポの画面は、あるひとつのテーマを学習するための紙芝居的要素しか持ち得ません。つまり必要最小限の情報を板書に書き上げる…、言い換えるならば板書は削りに削って、そのエキスだけを文字に残すことを心がければいい…、そういった事実に気づくことでしょう。

 板書を正確に写させるのも有効な学習手段だ! と未だにお考えの先生方も多いとは思いますが、板書を一字一句丁寧に写している生徒(子どもたち)のノートは、それはそれでとても美しいものです。しかしそれをもって「ノート検査」をし、ノート点なる評価を与える行為にいったいどんな意味があるのでしょうか。教師の指導に従っている、その態度に評価を与えているだけなのではありませんか。そしてその子どもたちの(正しい?)態度に、教員はご満悦になる…、ただそれだけのためのノート検査なら、それは子どもたちを愚弄しています。

 この際、板書の取り方は子どもたちのセンスに完全に任せて、教員は必要最小限度の情報を板書に書く…、このことを徹底した授業のシュミレーションにしてみてください。そう、まずは授業は教員の頭の中でシュミレーションできるほどに簡潔でなければなりません。そのシュミレーションを日常のルーティンに組み込むんです。さすれば常に教員の頭の中には、例えばシュミレーションの①~③位の容量が備わっているはずです。それを授業の前日にでも紙ベースに落として、翌日の授業に備える。それだけでも大幅な時間短縮になりますね。机に向かってから「んっ~」と悩んでないで、机に向かったら、その時こそ猛烈にアウトプットして教材を作成するだけにすればいいのです。

 私はこの「妄想授業」を20年間続けました。主に通勤時間で新たなシュミレーションを構築します。不安な場合は、職場に行ってから即座にスマホで点検します。そしてよほどのことがない限り「教授資料」(=教師のためのガイドブック)は手にしません。理由はシンプルです。それが面白くない…、クソ面白くないからです。教員が面白くないものを学んでも、それを生徒に面白いと思わせることは不可能ですからね。

 「妄想授業」で時短が実現したら、その余った時間にテスト作りをしちゃってください。中学・高校では定期考査ですね。この定期考査作りは、半ば季節労働となっていて、その期間になると毎晩遅くまで職員室に残って作問をしている教員が目につきます。しかし、それとて毎時の授業の単元ごとに、その授業を受けた子どもたちの反応に合わせた作問を「その都度」してしまった方が、後が楽です。考査期間直前になったら日頃作りためておいた「その都度の作問」を合体させればいいだけの話ですからね。チマチマ作問する…、これも「時短」の極意です。

 最後に、「妄想授業」の手順を紹介しますね。

 ①まずは近々の授業で扱う教科書を単元毎に何度か読んでみる。②教科書で使えそうな表や図を確認する。③子どもたちにとって初見の語句を確認する…、とここまではリアルな準備段階ですが、時間的には20~30分もあれば十分でしょう。④これらの情報をインプットした状態でシュミレーション授業を構築する。⑤シュミレーション授業は何度でも書き換えが可能ですから、もっとも教員も生徒もワクワクするシュミレーション授業に出会うまでそれを繰り返す。⑥ある程度完成したシュミレーション授業に必要な板書をパワーポイントを意識してできるだけ簡潔に構成する。⑦それらを何回か(楽しみながら)「妄想」する。⑧短時間で紙ベースにアウトプットする。

 以上、これだけです。

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